美容業界はここ10年ほど、コーティングによるヘアケア(被膜髪ケア)が主流となっています。
そんな中で、ヘアーホスピで行う素髪ケアや毛髪復元の理解を深めていくのは意外と困難。
お客様はもちろんですが、導入当初は当時働いていたスタッフの理解を得るのがもっとも困難でした。
「髪が治る」なんて言われたら疑うのは当たり前ですけどね、、、、(笑)
当時は、スタッフの理解を得るためにも、まずは結果を見せようと、
多くのモニターを募り、躍起になっていたのを覚えています。
その結果、今では、それまでのトリートメントではごまかすことすら不可能だったダメージ毛が
驚くほどきれいな髪に変える(戻す?)ことができるようになっています。
ただ、だからといって、通常のサロントリートメントを完全否定するわけではありません。
僕だって必要であれば、トリートメントもしますしね!
ただ、うちで扱っているサロントリートメントは髪内部で分子量を変化させるタイプのもので
コーティング力はそれほど強固なものではないのも重要な要素ですけどね。
今回は素髪ケアと被膜髪ケアの比較を行ってみましょう!
素髪とか、被膜髪って何?
このブログでは再三にわたり説明していますが、復習もかねて、素髪と被膜髪について考えていきましょう!
まずは、美容室で「システムトリートメント」というメニューが広まり始めたのが、僕が20代前半ごろ。
おおよそ20年ほど前あたりからですかね。
以前の美容室では「ヘアーレスキュー」という商品名のものを使っていました。
おそらく、他メーカーではそれ以前にも「システムトリートメント」はあったと思いますがね。
その当時から、今に至るまでほとんどの「トリートメント」の基本的な仕組は変わっていないんです。
価格の高い、安いも、中に入れる成分の原価の問題なので、理論的にはそれほど複雑ではありません。
化学的な根拠をもとにして、髪に結合するような成分は今の所ありませんしね、、。
ま、モノによったら、髪内部の成分と絡ませて抜け出にくくしたり、
分子量の小さな成分を髪の中で大きく変化させて出にくくさせたりはしているのですが、
最終的にはコーティング剤によって、髪を覆い、入れた成分が抜け出ないようにしています。
イメージ的には、髪にラップを張る感じですね。
これにより、手触り感はツルツルになり、光の反射率も上がるので、ツヤ髪に見えるというわけです。
それに加えて、シリコンたっぷりの市販シャンプーやトリートメント、さらにアウトバスなんかつけていると
髪はゴテゴテになっていきます。
そうなってしまっている髪を「被膜髪」と言います。(あくまで造語です)
例えるなら、「ファンデーションで厚塗りしている肌」みたいなイメージですかね。
肌にはあまり良くないけれど、でもキレイには見えますよね!
余談ですが、兄が東京でメイクアップアーティストをしているのですが、タレントさんやモデルさんの
「それほどメイクしていないように見せるしっかりメイク」が最も難しいといっていました(笑)
それに対し、髪に余分なものがついていない髪を「素髪」と言います(これもおそらく造語)
ただ、誤解されがちですが、何もしていない髪が素髪ではありません。
例えるなら、基礎化粧をしっかり行い、栄養クリームなどでケアしている肌ですね。
では、それぞれの特徴についてみてみましょう!
素髪の特徴
前述したとおり、素髪とは「髪に余分なものがついていない状態」
特徴としては、髪が軽くて立ち上がりやすい、髪がしなやかになる、自然な艶が出る(くせ毛でなければ)
余分なダメージが出にくい、などがあります。
ただ、ダメージしている髪だと、髪がパサパサして見える、引っ掛かりやすい、
くせ毛のかただと膨らみやすい、などのデメリットもあります。
ただし、ほとんどの場合、それは、「素髪」ではなく「裸髪」だから!
「素髪」とはいえ、基礎化粧の様に、その日限りのダメージケアは必ず行った方がよいでしょう!
そして、素髪にはもう一つ大きなメリットがあるのです。
それは、、、、、
美容師側から見ても、カラーが狙い通りの発色をしたり、
パーマも最低限のパワーでかけられたりと、最小限のダメージで最高の仕上がりが目指せるのです
やはり、ダメージの最も大きいのは薬剤による負担ですからね
被膜髪の特徴
では、皮膜髪はどうなんでしょうか、、、
まずは、見た目の艶感がすごいこと。特に直毛の髪には効果的ですね。
手触りなんかも、サラサラしています。
手軽にできるというのも大きなメリットですね。
ただ、モノにもよりますが、髪に重みが出て、ボリュームが出にくくなることは多いですね。
あと、2週間もすると、手触りも戻ってしまいます。
さらに、コーティングが強力であるほどに、のちの髪のダメージは大きくなるし
カラーやパーマの後のアルカリや過酸化水素、ミックスジスフィルドなどが髪に残留しやすくなり
後のダメージに繋がってしまいやすいです。
そして、最も怖いのが、薬剤パワーを強めないと浸透していかないこと。
これは素髪とは逆ですね。
本来の髪では、そこまでの薬剤パワーが必要ないのに、コーティングで守られているがために
必要以上のパワーをかけなければ、髪に薬剤が届かない、、、。
しかし、元の髪が弱っている場合、薬剤がコーティングの壁を越えた時には
一気に髪にも浸透してしまうので、ハイダメージになってしまいます。
まとめ
結局のところ、素髪にしても、皮膜髪にしても、メリット、デメリットは必ずあります。
たまに
「オーガビックシャンプーが良いっていうから使ってみたけどパサパサになった」
なんてことも聞きくし、逆に触っているだけで、指がツヤツヤするほどコーティングでおおわれている場合もあります。
やはり、重要なのは、きちんと自分の髪を理解してくれる美容師を見つける事だと思います。
世の中の大げさな広告に騙されてしまうのも、ありがちなミスだと思いますけどね(笑)
個人的には、「素髪の綺麗さは皮膜髪には及ばない」 正直そう思っていますが、、