美容室で良くある「髪の量を減らしてください」というオーダー。
単純に量が減ればいいとか、デザイン的な観点からのオーダーなら問題ないのですが、おさまりを良くしたいとか、なんとなくモワっと膨らむのをなんとかしたい、、、、という悩み解決の手段として考えているならNG!
でもこういったオーダーが多いのも事実だし、美容師側も「なぜ髪の量を減らしたいのか、、」を考えないと、結果的に「お悩み解決」とはならないでしょう。
なぜなら、原因が「髪の量」ではないケースが多いから、、です。
では、詳しい内容を見ていきましょう!
最近の美容室で使用する薬剤の傾向
まずは、最近の傾向から、、。
一般的には「髪質改善メニュー」(そのほとんどがなんちゃって改善メニューですけど、、)が流行っていて、髪をキレイにしたい、、といったニーズが多いのですが、それとは裏はらに、最近の美容業界は、高アルカリカラー(透明感のあるカラー)や酸性系のパーマ剤などで、お客様の髪の状態がどんどん悪化していく傾向にあります。
そうして髪が傷んでしまい、ツヤもしなやかさもなくなるので、オイルやシリコンといったホームケアで表面吸着で無理やりツヤを保たせる、、といった流れもさらに髪質悪化に拍車をかけているのです。
つまり、今の一般の方の髪は「かなり傷んでしまっている」傾向にあります。
ただ、ダメージを承知で、ダブルカラーなどをしているケースもあるので、ダメージ=悪だとは思ってはいないのですが、結果的に「思いの他まとまらない」という事にもなっているのも事実ですね。
そして、髪は傷むと、ゆがみが出て膨らむ傾向にあります。
髪の痛みはホームケアで悪化する
ここで、一度髪のダメージについてお話しておきましょう。
僕も以前までは
髪のダメージ = 美容室での施術
だと思っていました。
だから、美容室でのダメージ要因を極限まで抑えれば、髪はキレイになっていく、、と信じていましたが、実際は、
美容室で髪のダメージの原因を作り、ホームケアで悪化する
というのが正しい髪のダメージです。
そして重要なのが、「ホームケアでの髪の劣化の方が、圧倒的に大きい」という事です。
例えば、僕らは毛束で薬剤の検証を行うのですが、この毛束の写真
これはブリーチを3回ほど行ったあと、アルカリ処理を行い、時間が無くて自然乾燥で乾いた髪です。
その後、洗うことも、乾かすこともなく放置してあったので、髪の劣化は全くありません。
通常、3回ブリーチを行った髪を、ケアをそれほど気にしてない場合、ガッサガサになってしまっていますからね。
つまり、ホームケア次第で、髪の劣化の度合いは変わる、、という事です。
例えば、ダメージ毛の代名詞とも言える「枝毛」。
これは日々の小さな負担から毛先が裂けてしまうのですが、これを人工的に作るのは不可能だとも言われているのです。
なぜ減らしても解決しないのか
では、今回の本題出る「膨らみ」について考えていきましょう!
先ほどから書いているように、髪は痛むほどに膨らんでいく傾向にあります。
イメージとしては、髪自体がふやかされてフワーっと大きくなってしまう感じです。
さらに、髪の中身も抜けてしまって、多くの場合はパサツキも同時に感じるはずです。
ここで膨らむ方の毛量調整の鉄則をお話ししておきましょう!
「髪の落ち着きを作る毛先は減らさず、膨らみの根本原因となる根本を減らす」です。
これが、「膨らむから減らしたい」がうまくいかない1番の理由です。
つまり、何も考えずに髪の量を減らしてしまうと、「収める力」である毛先がdどんどん軽くなってしまうので、当然落ち着きが悪くなる、もしくは、さらに膨らむようになってしまうのです。
100歩譲って、カットした「その時」は良くても、髪をそいである分劣化も早いので、次第にモワーっと膨らんでくるようになるはずです。
実際のビフォーアフター
ではここで、実際のビフォア、アフターで見ていきましょう!
まずはビフォア
ご要望は、長さは変えたくないけれど、多くて扱いにくいので減らしてください、、、との事でした。
3年ほど通っていただいているので、髪の状態は随分良いのですが、ホームケアが市販のものなので、毛先にいくに従って劣化が激しくなっています。
そこに髪の栄養素ともなる成分を配合した施術を行うと、、
乾かしただけでもこれくらい違いが出てしまいます。
ダイソンエアラップで軽くブローすれば
毛先の丸みも簡単に出すことができるのです。
やっぱり美髪にはカットも非常に重要なんですね!
では、いつもありがとうございまず!