日本の美容業界にカラーが主流になってきたのがおよそ20年ほど前。
僕らが中高生の時代は、消毒液(オキシドール)やビールやコーラを髪につけて、高温ドライヤーで熱を与え、髪を明るくしていました。
ダメージにしても、ムラにしても随分大変なことになっていましたね(笑)
でも、当時は今みたいに薬局で簡単にカラー剤が手に入る時代ではなかったんです。
そして時代が変わり、今では「外国人風カラー」なんてことも簡単にできるようになっていますね。
ただ、そうして色々なカラーが出来るようになってはきたものの、根本的なダメージを少なく出来るものはほとんどありません。
それはなぜか、、、今日はそんなカラーの話です
カラー剤はPH(ペーハー)が高い!
一般の方はPH(ペーハー)なんて聞くと、その時点で難しそうで、情報をシャットアウトしてしまうかもしれませんが、実はそれほど難しい話ではありません。
最近では、食べ物なんかでも、アルカリ性のものや酸性のもの等で紹介されていることもあるので、逆になじみのある方も多いのではないでしょうか、、、
こちらが髪や、美容室の施術に関する一覧表
このように、パーマに比べても一般的なアルカリカラーはPHが高くなっています。
PHが高ければ高い(アルカリに傾く)ほど、髪はふやけてもろくなっていきます。
逆に、PHが低い(酸性に傾く)ほど、髪は締まりすぎてギシギシしてきます。
余談ですが、ハイダメージにヘナをつけるとガシガシになるのはこのため。
ハイダメージの酸性にヘナのPH2~3の酸性がぶつかることで、酸性に傾きすぎてしまう、、という事です。
そして、髪が一番安定するのが、皆さんご存じの「弱酸性」(PH5.5)。
図でいう、「等電帯」という部分です。
では、PHが等電帯に近ければよいかというと、アルカリが高いからこそ、髪色が明るくなったり、形が変わるので必要悪、、ということですかね。
本当はPHよりもアルカリ度の方が重要!
薬剤を知るうえでPHが重要な要素であるのは美容師であるならば誰でも知っています。
けれど、髪をキレイに保つうえで、最も重要なのは実は「アルカリ度」。
アルカリ度とは、簡単に言うと、中性に戻りやすいか戻りにくいかの度合い。
例えば、パーマに比べると、カラーはアルカリ度が高くなっていることが多い。
つまり、美容室で中和剤などを少々つけたところで、髪のPHは5.5どころか中世までも落ちていないことがほとんどです。
良く美容師がカラー後に
「1週間ほどで髪の色が抜けますので、、、」
といった言葉を聞いたことがある方も多いと思いますが、実はこれは髪の中のアルカリが弱酸性に戻るまでの期間です。
カラーはPHによって見え方が変わるので、あたかも色素が抜けてしまったかのように見えるのです。
でも、それくらい1回のカラーのアルカリは残留しているのですね!
ちなみに、365カラーでは、アルカリ度の高い薬剤に様々な添加をして、PHをコントロールできるように設計されているのです。
ちなみに、下の写真はあるメーカーの資料です。
カラー後でカラー剤を流した後にも関わらず、PHは9近くとなっていますね
特に最近のカラー剤、〇ルミナ、〇ディクシー 、〇ロウ、、などの外国人風カラーに使用するものは、過去のカラー剤に比べると、考えられないほどアルカリ度が高くなっています。
通常1週間で弱酸性に戻るものが、2~3週間もかかってしまう可能性がありますので注意して下さい。
アルカリが残っていると何が悪いの?
ここまでは少しややこしい話でしたが、ここからはホームケアにかかわる重要な話!
PHやらアルカリ度やら、なんとなく分かったけど、実際は何が必要なの?
そう疑問に思われた方も多いと思います。
通常のカラー剤はアルカリ度が高いため、カラー施術後、最低でも1週間はPHが5.5より高くなっています。
つまり、髪がふやけている状態、、、。
この状態で、いつも通りのシャンプーやドライヤーを行うと、髪の負担はいつも以上に大きくなります。
ですから、カラーやパーマなどの施術をした後は、、
●シャンプーの時にやさしく洗う!
●タオルドライでは絶対にこすらず、たたくようにして水分をとる!
●ドライヤーを使用する場合は手が厚くない距離を保ち、髪同士の摩擦を起こさせないように乾かす!
美髪を保つためには、この3つは最低限必要な事です。
普段使うシャンプーやトリートメント、流さないトリートメントなどの「モノ」に頼ることも重要ですが、たとえ最高級の「モノ」を使用していたとしても、その「使い方」が間違っていたら全くの無駄になってしまうので、髪にこだわりのある方は、是非注意してきださいね!