カラーは髪を傷ませる、、。
これは間違いのない事実。
でも、パーマや矯正と同様に、アルカリをうまくコントロールできれば、カラーのダメージも最小限にできるはず!
、、、という事で、、
最近は、もっぱらカラー剤の勉強に没頭しています、、。
(今回はかなりマニアックな記事になるので、一部難しい部分も出てきますがご了承ください。)
カラー剤の仕組み
以前もブログで書いたように、ヘアカラーは脱色と染色を同時に行っているもの。
ヘアカラーの髪のダメージを最小にするのはトリートメントでは難しい!
でも色々と調べていると、同じ「カラー剤」でもその特徴は、メーカーによっても様々。
明らかに、髪の負担も大きく、ムラになりやすいけど、色はしっかり出るタイプ。
逆に、髪の負担は少ないけれど、色味は出しにくいタイプなど、、、
何が良いとか、悪いとかではなく、まずは使用する薬剤の特徴を把握する、、
そこから、何を選択していくか、、がプロの美容師としての仕事ですね。
という事で、最近活躍しているこの機器
薬剤のペーハーを図るための機械です。
通常カラー剤はパーマなんかに比べると、ペーハーが高くつくられています。
ペーハーが高いだけなら良いのですが、厄介なのは「アルカリ度」というものが高い事。
ちょっと難しいですが、この「アルカリ度」が高いと、中和してもなかなか中性に戻らない、、という事。
髪で言うと、通常だとカラー後、1週間ほどで髪は弱酸性に戻るのですが、「アルカリ度」が高い薬剤を使用すると10日以上、下手したら1か月近く、髪がアルカリに偏っている、、という事です。
その間、熱をあてたり、濡れたりすることで、髪が傷んでいくのです。
カラーを安全な中性に戻してみる!
では、実験してみます。
まずは、2つの違うメーカーのカラー剤を使用し、それぞれのペーハーを測定します。
①のカラー剤は
Ph 9.89
②のカラー剤
Ph 9.77
どちらも似たようなペーハーを示しています。
カラー剤としては若干低めですが、測定器の正確性もあるかもしれないですね
(割と安いききですので、、、(笑))
その後、酸度のある薬剤を混ぜて、少しだけ酸性に近づけていきます。
その結果
①の薬剤は
②の薬剤は
この時点で、①の薬剤の方が②に比べて、「アルカリ度」が高いと判断できます。
その後、10分放置したあと、さらに酸度のある薬剤で中性まで戻していくと、、、
①の薬剤は
②の薬剤は
という実験結果、、、。
②はほぼ中性まで戻すことができますが、①に関してはほぼ変わらない状態、、。
まとめると、
①の薬剤は、アルカリ度が高いため、なかなか中性、弱酸性には戻らない
②の薬剤は、それほどアルカリ度が高くないため、きちんとした処理を行えば、中性までは簡単に戻せる
という事ですね。
今回は、中性に戻す薬剤を使用していますが、通常、美容室ではあまりそういったことは行われません。
つまり、何もしなければ、ペーハー9あたりのまま髪は放置されてしまうわけです。
色素の絡みもあるので、なんでも弱酸性にすれば良いわけではありませんが、こういった処置を施すことで、少なくとも髪の負担は限りなく小さくすることは可能です。
実際に髪の負担を少なくしてカラーしてみた結果、、
では、次に、実際にアルカリをコントロールしながらのカラーを見てみましょう!
まずはビフォア
やや大きなクセがあり、傷みやすい髪質。
パーマや矯正の経験はないそうです。
アップにすると
毛先は
断毛もあるのか、途中からモワモワした髪も多くなっています。
そして、しっかりと前処理をおこなった後、カラーを塗布。
今回は、赤みが強い髪で、落ち着かせたいとのことだったので、ネオヴィンテージカーキーという色味で
赤みを抑えた濃いめのブラウンに仕上げます。
そして、アフターがこちら
アップにすると
こんな感じ。
わかりにくいですが、比べてみると、、
さらにアップで見ると、、、
毛先に関しては、もう数回カラーを繰り返、髪の中身を詰めながら、どこかのタイミングであれたキューティクルを整えてあげるメニューを行えば、さらにキレイになるでしょう!
ちなみに、数日後、この方からコメントをいただきました。
それがこちら
こうして、髪がキレイになって喜んでいただけるのが、一番のやりがいになりますね!
今回施術したカラーはこちら → 髪質改善 ほぼダメージ0でカラーをしながら髪を補修する365プラスとは?
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